「ボーガン」という言葉はどこから来たのか?
ここがまた、いい感じに“モヤッ”としている。
世間でよく語られる説はこんなところだ。
- ニューサウスウェールズ州西部の ボーガン川/ボーガン郡 が語源説
- 古いオーストラリア文学の言及説
- 地域ごとのオージースラング説
- メルボルンのティーンの間で生まれた説
いろいろ言われているけれど、 現時点で一番有力なのは 1980年代初期のメルボルン発 という説。ただし、最終的な語源はまだハッキリしない。この“曖昧さ”もまたオーストラリアらしい。

歴史家ブルース・ムーアの発見
歴史家で言語学者のブルース・ムーアが見つけたのは、1984年のメルボルン・ザビエル校の学生誌。
そこに 「ボーガン人形」 という架空キャラが登場していて、 すでに今のボーガン像とほぼ同じ特徴を持っていた。
- タトゥー
- ロングヘア
- ヘビメタ系ファッション
- ノースリーブのデニム
などなど、今見ても「うん、ボーガンだわ」と納得するスタイル。
By the late 1980s it was spreading nationally. By the early 1990s, it was essentially established Australian slang.
翌年にはサーフ系雑誌 Tracks にも登場し、 1980年代後半には全国に広がり始め、 1990年代初頭には完全に“オーストラリアのスラング”として定着した。
そして一番面白いポイント
この言葉を広めたのは、 「自分たちより文化的に洗練されていない人」を指して使っていた、 アッパーミドル階級の私立校ティーンたちだった可能性が高い。
つまり、ボーガンは、ボーガンじゃない人たちが作った言葉かもしれない。
これ、文化史としてめちゃくちゃ面白い。
階級、センス、アイデンティティが入り混じって、 オーストラリアらしい“ゆるい社会学”がそこにある。
- Did an elite Melbourne private school give Australia the word ‘bogan’? – ABC News
- The Australian national dictionary : Australian words and their origins / edited by Bruce Moore ;… | Catalogue | National Library of Australia
- The Bogan Bible by Paul Fenech | Goodreads
- Legolingo : the cadets’ language / compiled by Bill Cowham ; with an introduction by Rob Darby | Catalogue | National Library of Australia
