音楽:ボーガン文化の“心臓部”
ボーガン文化には、 とんでもなく強力な音楽的コアがある。 その“正典サウンドトラック”はこんな感じ。 これだけ並べると、 「ボーガン=音楽好きの労働者階級ロッカー」 というイメージが浮かぶけれど、 ここでまた最高のパラドックスが登場する。 “ボーガン音楽”は、実はめちゃくちゃ高度な音楽でもある ボーガン文化に結びつけられる音楽の中には、 国際的に影響力があり、音楽的にも超洗練されているものが多い。たとえば AC/DC。「ボーガンが好きだから文化的に価値が低い」 ……なんてことはまったくない。むしろ逆で、ボーガンが愛する音楽が、オーストラリアの国民的神話の一部になる。2002年には Triple J が “National Bogan Day(全国ボーガンの日)” を開催し、Cold Chisel、Midnight Oil、Rose Tattoo、AC/DC など “ボーガン的象徴”の音楽を祝った。つまり、ボーガン音楽=ダメな音楽、ではない。 ボーガン音楽とは何か? それは、気取らないオーストラリア的男性性と 労働者階級の“本物らしさ”を象徴する音楽。音楽そのものの質ではなく、 文化的な結びつきが“ボーガン音楽”を定義する。だからこそ、 ボーガン文化の音楽は単なる趣味ではなく、 国民的アイデンティティの一部になっている。
